この記事は以下の記事を翻訳し、掲載しています。
出典：State of Drupal presentation (March 2025)

DrupalCon 北アメリカ 2025 DriesNoteプレゼンテーション

3ヶ月前、私たちはDrupal CMS 1.0をリリースしました。これはここ数年で私たちが成し遂げた最大の進歩です。
私たちの目標は野心的です。それはDrupalを根本的に使いやすくすると同時に、より迅速なイノベーションを可能にするプラットフォームとして再構築することです。

先週のDrupalConアトランタでの基調講演では、これまでの道のりを振り返りつつも、主にこれからの課題についてお話ししました。基調講演を見逃した方は動画で見るか、スライド資料（56MB）をダウンロードすることができます。

Drupal CMSを試してみたい方は、トライアル版を体験することも、新しいデスクトップランチャーを使うことも、DDEVでインストールすることもできます。私たちが取り組んでいることについて興味がある方は、ぜひこの先を読み進めてください。

1. エクスペリエンスビルダー

Drupalのユーザーやデジタルエージェンシーから最も多く寄せられる要望の中に、より優れたページ構築機能、よりシンプルなテーマ設定、そしてすぐに使える高品質なテーマというものがあります。

DrupalConアトランタではExperience Builderに関する進捗状況について発表しました。基調講演の録画には、2つのデモが含まれています。1つは新しいサイトの構築機能に焦点を当てたもので、もう1つはブラウザ内で直接コンポーネントを作成・設計する方法を紹介するものです。

私はDrupalのAIエージェントがエクスペリエンスビルダーのコンポーネントを生成する方法もデモしました。これは初期段階での設計実験でしたが、AIがサイト構築をより迅速かつ直感的に行うことができるという可能性の一端を垣間見ることができました。このデモは基調講演のビデオでもご覧いただけます。

まだやるべきことは残っていますが、私たちは最初の安定版であるエクスペリエンスビルダー1.0をDrupalConウィーンまでにリリースすることを目指しています。それまではデモリリースをお試しください。

2. Drupalサイトテンプレート

Drupal CMSにとっての最大のチャンスのひとつは、完全なウェブサイトをより迅速かつ簡単に立ち上げられるようにすることです。レシピの導入は大きな前進でした。私はDrupalConバルセロナ 2024の基調講演でレシピについて詳しく取り上げています。しかし、私たちにはまだできることがあります。

例えば非営利団体のキャンペーンサイトや募金サイト、大学の学部のWebサイト、クリエイティブエージェンシーのポートフォリオサイト、さらにはDrupalConバルセロナのデモでサラが求めていたようなツアー販売を行う旅行専門のeコマースサイトなどを素早く立ち上げることを想像してみてください。

これが、私たちがサイトテンプレートを導入する理由です。サイトテンプレートはよくあるユースケスのためのすぐに使えるスタート地点です。ユーザーは最小限の設定や構成で、新規インストールから十分に機能するサイトを手に入れることができます。

サイトテンプレートは、レシピとエクスペリエンスビルダーによって実現されています。レシピはより高レベルの構築要素を提供し、エクスペリエンスビルダーはテーマのデザインと作成の新しい手法をもたらします。サイトテンプレートはすべてを統合し、より完全ですぐに使えるソリューションを提供します。

成功すれば、サイトテンプレートは20年近くにわたってDrupalの一部であった概念Drupalディストリビューションに取って代わる可能性があります。サイトテンプレートの大きな利点は、構築と維持がはるかに容易であることです。

3. マーケットプレイスの構想

最初のサイトテンプレートは、Drupal CMS 2.0自体に直接組み込まれるかもしれません。将来的には、Drupal.orgのマーケットプレイスを通じて、何百ものサイトテンプレートを提供したいと思っています。

DrupalConアトランタでは、商用サイトテンプレートのオプションも含めたサイトテンプレートのマーケットプレイスを構想中であることを発表しました。これはDrupalプロジェクトにいくつもの利益をもたらす可能性があり、評価する価値のあるアイデアだと信じています。

• 新しいユーザーがプロフェッショナルな外観のサイトを即座に立ち上げられるようになる
• 高品質な実例を通じてDrupalの潜在能力をアピールできる
• Drupalの代理店や開発者にとって新たな収益の機会を生み出す
• Drupal Associationとの収益共有モデルを通じてDrupalの持続可能性を支援できる

詳細は、基調講演の録画でご覧いただけます。また、マーケットプレイス構想についてさらに掘り下げた詳細なブログ記事も公開しています。

これからの展望

Drupal CMSはDrupalプロジェクトに新たな勢いをもたらしましたが、まだ終わりではありません！今年の残りの期間、私たちは以下の明確な優先順位に基づいてこの基盤をさらに強化していきます。

• エクスペリエンスビルダー1.0のリリース
• 最初のサイトテンプレートのリリース
• マーケティング活動の拡大
• サイトテンプレートのマーケットプレイスの立ち上げの検討
• AIフレームワークとAIエージェントの構築

もし時間と興味があれば、ぜひ参加をご検討ください。全ての貢献が違いを生み出します。何から始めればよいかわからない場合は、Drupal Slackにご参加ください。新しいメンバーをいつでも歓迎します。主なチャンネルは、#drupal-cms-development、#ai、#experience-builder、#drupal-cms-templates、#drupal-cms-marketplaceです。

基調講演でもお話ししましたが、「必要なものはすべて揃っています。あとはそれらをまとめるだけです！」

ドリス・バイタルト